1. 宗教社会学とは
  2. 宗教の起源
    1. カリスマ
      1. 定義:  非日常的な力
        1. カリスマは第一に特定の物象や人格だけが持っている天与の資質や才能の発現としての非日常的な力。
        2. しかしカリスマは第二に何か特別な手段や訓練によって特定の物象や人格から生み出される非日常的な力。
        3. 単なる才能や資質ではなく、その力の発現(デモンストレーション)が決定的。
      2. 自然物や人工物のカリスマ
        1. 非日常的な(恐ろしい、まれな)自然物における力の発現
          1. カミナリ(雷、神鳴り)
          2. オオカミ(狼、大神)
          3. 大木(神木)
          4. 大石
        2. 非日常的な(今までに見たことのない)人工物の力の発現
          1. 刀(たち、剣)
          2. カガミ(鏡、懸け神)
          3. タマ(玉、霊、魂)
        3. 呪物崇拝(フェティシズム)
          1. カリスマを発現する自然物や人工物そのものを崇拝する態度
          2. 神社のご神体(剣、鏡、玉、山、川、岩、木)
      3. 人格のカリスマ
        1. 戦士のカリスマ
          1. 神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)
          2. ヤマトタケル(日本武、猛)
        2. 呪術師のカリスマ
          1. ヒミコ(卑弥呼、日巫女、天照大神)
        3. 英雄崇拝(ヒロイズム)
          1. カリスマを発現する人間そのものを崇拝する態度
      4. 自然主義
        1. 定義: カリスマは物質や人格そのものとする観念
          1. カリスマ的自然物や人間の一部を食べるればその力が得られると信じる態度
          2. 霊魂信仰以前の観念(プレ・アニミズム)
    2. 超感性的力
      1. 定義: 物体の後背に存在する目に見えない「超感覚的存在」(霊)によって発揮されるカリスマ
        1. 超感覚的存在を霊(スピリット)と呼ぶ
        2. 霊はまだ半物質的存在で消滅することもある
      2. 霊魂信仰(アニミズム)
        1. 人やものに一時的に住まう霊を信じる態度
        2. たましい
          1. 動物や人間に住んでいる霊
          2. 住んでいる生命が死んだり、意識を失ったり、夢を見ているときに、たましいはその体から離れることが出来ると見なされる。
    3. 呪術
      1. 定義: 超感性的力を強制(操作)しようとする術。
        1. 呪術による非日常的力の強制は世界秩序の意味を破壊する
        2. 呪術とは反対に「奇跡」は世界の意味を与える。
      2. 呪術師: 呪術を経営する個人的カリスマの保持者
        1. 呪術を執り行うことによって生計を得ようとする人。
        2. 呪術師の目的は超感性的力を強制し操作することにあり、超感性的力を崇拝するのでもその命令を教えるのでもない。
        3. 呪術師は忘我(エクスタシー)を経営する
          1. 忘我とは「カリスマを発揮する時の非日常的心理状態(神憑り、至福感、ものに取りつかれた状態)
        4. 狂騒(オルギー)
          1. 大衆の偶然的忘我(エクスタシー)
          2. 狂騒の誘発にたばこ、アルコール、ダンス、セックスが用いられる
          3. 狂騒は生の意味も生活態度への積極的影響も与えない
    4. 象徴主義
      1. 象徴とはある「意味をあらわす」ということ
      2. 霊は非物質的存在であるとの観念に基づき、霊に影響を与えれるのは象徴的行為によってのみ可能とする立場。
        1. 対象物そのものでなく、その後背に存在するもの
        2. 乗り移るもの
        3. 影響を与えるための操作の重要性
          1. 疑似
          2. 類似と感染
    5. 死者に対する態度
      1. 自然主義的態度
        1. 恐れ
          1. 今まで生きていた者が動かなくなった。しかも、ほっておくと腐って悪臭を放ちウジ虫がわく(動物も困惑した表情を示す)
        2. 恨み、たたりを恐れて所有物を一緒に埋葬
          1. 生き埋め(殉死)
            1. 奴隷、馬
          2. 宝物の副葬
            1. 鏡、剣(槍)、玉
      2. 象徴主義の展開
        1. 呪術師の登場
        2. 亡霊が出られないようにする
          1. 屈葬、かめ棺
          2. 支石墓(ドルメン)
          3. 火葬
            1. 亡霊を焼き殺すため
        3. 代用品(象徴)の埋葬(埴輪)
            1. 計り知れない経済的影響、人格観念上の発達、
            2. 秦の始皇帝(前2世紀BC)、仁徳天皇陵(5世紀)

  3. 呪術から宗教へ
    1. 霊強制から霊崇拝へ
      1. 強制と取引から崇拝へ
        1. 呪術は強制的に霊的力を引き出そうとする
          1. 呪術師による霊的存在への命令または操作
          2. 呪術師の優越性
            1. ブラーマン(インドの呪術師)はすべての霊的力の主
            2. 霊的存在は手段
        2. 取引関係
          1. これだけのものを与えたのだからその見返りをよこせ
            1. ギブアンドテイク
            2. ぎせいの起源
          2. 交換経済の発達
        3. 王の出現と宗教観念
          1. 強制できない強大な力
          2. 王の好意を得る態度
            1. 敬意を払う
            2. 嘆願(自分を低くして助けを乞う)
            3. 贈り物
            4. 従順な態度
            5. 奉仕の態度
    2. 「宗教」と祭司団の成立
      1. 宗教のせまい定義:「崇拝による超感性的力への志向」
        1. 崇拝:「仕え敬う態度」
        2. 崇拝の方法
          1. 祈り:「呼びかけによる崇拝」
            1. 起源は呪文
          2. ぎせい:「捧げ物による崇拝」
            1. 起源は災いをさける手段
          3. 奉仕:「生活態度による崇拝」
            1. 献身、従順
      2. 祭司団
        1. 定義: 「特定の規則、場所、時間に関係し、社会団体に付随した祭儀経営をおこなう特定の職業集団。」
        2. 祭司: 「祭司団のメンバー」
        3. 祭儀: 「超感性的力の好意や助けを得ようとする崇拝行為」
        4. 経営: 「継続的な結果合理的行為」
        5. 呪術師との違い
          1. 団体を対象にした集団的な祭儀経営
            1. 個人を対象とした私的な神がかり(エクスタシー)の経営が呪術師
          2. 祭司の威信は個人的カリスマでなく制度的官職
            1. カリスマ的業でなく知識
            2. 不思議の業(魔術)や神のお告げ(神託)ではなく儀礼や教義の知識が威信のもと
    3. 祭司団の発達
      1. 起源
        1. 呪術師の祭儀補助者
        2. 政治団体の祭儀官職
      2. 政治的支配との関係
        1. 政治と宗教の一体的支配
          1. 呪術的支配者が政治的王を兼ねる(中国)
            1. 祭司団そのものが未発達
          2. 軍事的王が最高祭司を兼ねる(日本、ギリシャ)
            1. 祭司団の従属と教義の未発達
        2. 政治と宗教の並立的支配(教権制)
          1. 呪術師が軍事王を正当化する(インド)
            1. 呪術師による祭司団の破壊
          2. 祭司団が軍事王を正当化する(西洋、オリエント)
      3. 祭司団の独立化と合理化
        1. 呪術師や政治団体の支配からの独立
          1. 首長と祭司の任命の主権
          2. 祭司団内部の法制定の主権
        2. 神観念の発達
          1. 永続的存在としての超感性的力
          2. 崇拝の対象としての超感性的力
        3. 教義の発展
          1. 神に関する形而上的思考の展開
          2. 教義:「理解を前提とした神に関する知識や命令」
            1. 神道に教義無し